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朝来(あさご)の自然

兵庫県朝来市の自然の調査と紹介

危!路上で硬直するヒキ

2006-5-10カエル調査-031
2006年5月10日 かえる調査にて
奥山渓谷 林道路上にて確認。
ヒキガエルの亜成体。

ニホンヒキガエルは
『兵庫県版レッドデータブック2003』でCランク。
「兵庫県内において存続基盤が脆弱な種。」とされています。


写真のヒキガエルは硬直して路上にへばりついて身動きしません。
このままだとまさに「轢きガエル」になってしまいま・・・すみません。

ヒキガエルは捕まえると硬直したり体を大きく膨らませたりしますが、
さっさと逃げる、ということは出来ません。

当地では「どんびきさん」と呼ぶ人もいますが、
ちょっと失礼だけどピッタリの呼び名ですね。
愛嬌もあるし、「さん」付けしてるところがいい。

山東町では山の中の林道脇の水路や
山の近くの民家や施設の池や水溜りなどで、
よく卵塊が見つかります。

2006-5-10カエル調査-032

2006-5-10カエル調査-033

2006-5-10カエル調査-034
すぐそばで見つけた別のヒキ。
こちらも若いヒキ。
この日に見つけたヒキガエルはいずれもまだ成体ではない、若い個体。
成体のヒキガエルを見ることはありませんでした。
これには理由があるようです。

つづく・・・

2006-5-10カエル調査-035

2006-5-10カエル調査-036
ヒキガエルの生態について生物の先生のgoroさんから頂いたメールをご紹介します。

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ヒキガエルの件ですが、これまでに一度だけ
交尾に出くわしたことがあります。
雪解けの水たまりで、数十匹のカエルがうごめく様子には
目を疑ったものです。
雪残る春分の日の山奥(黒川の笹畑)での光景だったので、
それがヒキガエルとわかるまで、時間がかかりました。

後で調べるとホルモンの分泌で、交尾のために冬眠から覚め、
用を終えると再び冬眠するということでした。(納得)
それが今の時期(5月初旬)にオタマジャクシになっているのですね。
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なるほど。
この日、大人のヒキガエルはみんな二度寝の最中。
オタマジャクシはいるのに産卵した親ガエルの姿はなく、
産卵に関係のない亜生体のヒキガエルだけがうろついている、
というのには、こういう訳があったんですね。


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テーマ:生き物 - ジャンル:写真

若ヒキガエル

2006-5-10カエル調査-028
2006年5月10日 かえる調査にて
奥山渓谷 林道脇で見つけたヒキガエル。
たぶん2年目の亜生体(幼体)だと思います。

テルさんのコメントで、
「便秘のヒキガエル」の情報を頂きましたが、
飼育下の個体はやっぱりいろいろあると思います。
野生の個体はやっぱりきれいです。
見るからに健康そうです。

2006-5-10カエル調査-029

2006-5-10カエル調査-030


ところで、皆様と情報交換を活発にするために(?)
掲示板を作りました。
http://bbs9.fc2.com/php/e.php/nantanbbs/
この掲示板では、書き込みネタのジャンルは問いません。
多分、私の愚痴とか趣味とか、
最近関わっている掲示板では書きにくいことを
書くことになると思います。
皆様もご利用下さい。

テルさん、ワールドカップ情報、よろしくお願いします。

テーマ:生き物 - ジャンル:写真

用水路のオタマ

2006-5-10カエル調査-025
2006年5月10日 かえる調査にて
奥山渓谷林道脇の用水路で確認したオタマジャクシ
ヒキガエルのオタマジャクシだと思われます。

2006-5-10カエル調査-027
林道脇の用水路ではヒキガエルの他に
モリアオガエルのオタマジャクシも昨年確認しています。
コンクリートの用水路に産卵した場合、普通は水に流されてしまって
全滅してしまいます。
そのようなコンクリート用水路はカエルたちにとって
「トラップ」の役割を果たしてしまうのですが・・・
ここでは水路が土砂に埋まってしまっていて、
丁度良い水溜りになっています。
つまり、このあたりの用水路はすでに用水路の役割を果たしていない、
ということです。
どこの林道でもよくあることです。

テーマ:生き物 - ジャンル:写真

シュレーゲルネタいろいろ

2006-5-10カエル調査-019
2006年5月10日 かえる調査にて
奥山渓谷 林道脇で撮影したシュレーゲルアオガエル

このカエルのことを知ったころ、
「シュレーゲル」という名前がなかなか覚えられませんでした。
日本人にとっては馴染みのない(馴染めない)名前です。

だからと言って外来種ではありません。
一説によると花札に描かれた柳に飛びつくカエルは
このカエルだとか・・・。

オオサンショウウオを世界に紹介したことでも知られる(?)
シーボルトはこのカエルもオランダに持ち帰っており、
その標本を研究したオランダ人の「シュレーゲルさん」
にちなんで付けられた名前なのだそうです。

2006-5-10カエル調査-020
上のシュレーゲルとは別個体ですが、
近い場所で、鳴き声を頼りに見つけました。
色はあまりきれいではないですが、
近寄っても鳴くのを止めないので、
ちょっと気合入れて撮影しました。

2006-5-10カエル調査-021

2006-5-10カエル調査-022
ちょっとピントが甘いですがご勘弁を。
あごの下が少し膨らんでいます。一方体も膨らんでいます。

2006-5-10カエル調査-023
あごの下を大きく膨らませて鳴きます。
その一方で体がしぼんでいます。
上の写真と比べるとよく判ります。

2006-5-10カエル調査-024
最後にシュレーゲルネタをもう一つ。

シュレーゲルの鳴き声を聞くと「もののけ姫」の「コダマ(木霊)」
を思い出します。
コダマの「カタカタ(コロコロ?)」という音と、
シュレーゲルの鳴き声が似ているような気がしていました。
美しいような、かわいいような、
ちょっと神秘的で、心地よい鳴き声です。

先日「もののけ姫」の放送をなんとなく聞いていて
「あっ!」と気が付いたことがありました。
アシタカがヤックルにまたがって、
(直後に戦に巻き込まれる)村にやてきた場面。
シュレーゲルアオガエルの美しい鳴き声がしっかり入ってました。
アマガエルやトノサマガエルではなく、
シュレーゲルアオガエルなんですね。
宮崎駿監督はこのカエルのこと、やっぱり意識していたのかな?

鳴き声はカジカガエルが最高ですが、見た目やキャラ、
そして鳴き声などを総合すると、
このシュレーゲルアオガエルが一番好きです。
日本の美しい風土を象徴するような、
美しく、おっとりした、素晴らしい生きものだと思うのです。

ただ、名前はいただけんなあ・・・・


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この時期の主役はシュレーゲル

2006-5-10カエル調査-016
2006年5月10日 かえる調査にて
奥山渓谷林道路上のシュレーゲルアオガエル。
奥山渓谷入り口付近はシュレーゲルアオガエルの鳴き声しか聞こえません。
写真は色もサイズも標準的な、一番かわいい感じのシュレーゲル。

2006-5-10カエル調査-017

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色が・・・なシュレーゲル

2006-5-10カエル調査-014
2006年5月10日 かえる調査にて
与布土 路上で撮影したシュレーゲルアオガエル。
こんな色のシュレーゲルアオガエルは初めて見ました。
おそらく、冬眠明けなのではないかと。

2006-5-10カエル調査-015
上と同じ個体。

2006-5-10カエル調査-018
与布土 川上にて
路上で撮影したシュレーゲルアオガエル。
上とは別の個体。
この個体は身動きも一段と鈍く、いかにも寝ぼけてます、という感じ。
本当に冬眠明けなのかどうかは、判りません。

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手にのるカエル

2006-5-10カエル調査-009
2006年5月10日 かえる調査にて
森から与布土にかけての農道(森)
路上にて確認したシュレーゲルアオガエル。

2006-5-10カエル調査-010
2006年5月10日 かえる調査にて
森から与布土にかけての農道(与布土)
路上にて確認したシュレーゲルアオガエル。
やや模様が出ています。

2006-5-10カエル調査-011
上と同じ個体。

2006-5-10カエル調査-012
シュレーゲルアオガエルは手にのせてもジャンプして逃げようとはしません。
中には飛び回るものもいるので、
ジャンプそのものが出来ないわけではありませんが、
基本的にゆっくりのそのそと動くカエルです。
手にのせても写真のように動かなかったり、
手のひらから手首、腕へと這って上っていったり。
人なつっこい・・・というわけではないでしょうが、
見た目も動きも、とてもかわいいカエルです。

でも写真のシュレーゲルはどう見ても
萎縮して動けなくなっているだけ?

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ギロロ伍長!

2006-5-10カエル調査-004

2006-5-10カエル調査-005
2006年5月10日 カエル調査にて
山歳 八幡神社付近の路上で撮影した、たぶんタゴガエル。
こんな街中(村中?)の路上でアカガエルの仲間を見るのは初めてです。
山東町ではアカガエルの仲間としては、
タゴガエルとヤマアカガエルしか見かけませんが、
ヤマアカガエルは山の中、タゴガエルは川の上流とか沢、
といったところでしか見たことがありませんでした。
でも付近が山なので、いてもおかしくはないです。

タゴガエルとヤマアカガエルはいずれも
『兵庫県版レッドデータブック2003』でCランク。
「兵庫県内において存続基盤が脆弱な種。」とされています。



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地味なカエル

2006-5-10カエル調査-002
2006年5月10日 カエル調査にて
与布土方面に向かう農道脇で見つけたヌマガエル。
このカエルは梁瀬でも見かけます。
どこの水田でも見かけるカエルですが、存在が地味なのか、
あまり知られていないカエルです。

テーマ:生き物 - ジャンル:写真

実は身近なシュレーゲル

2006-5-10カエル調査-006
2006年5月10日 カエル調査にて
森区の農道で撮影したシュレーゲルアオガエル。

シュレーゲルアオガエルは、私がカエルにハマるきっかけになったカエルです。
私がこのカエルを初めて見たのは忘れもしない、
「わくわく教室2000」の時。
つまり6年前、もうええ年になってからです。
アマガエルよりはるかにデカく、まるまるしていて、
パステル調のきれいなグリーン、これぞ「カエル」と言う感じ。
カエルキャラクターって実はこのカエルがモデル?
と思いたくなるぐらい、完璧なカエルらしいカエル。
ケロロ軍曹もシュレーゲルに違いない!?

でも、カエルキャラのモデルはアマガエルで、
アマガエルをかわいくデフォルメしたのがカエルキャラ、
ということでしょう。
ところが、そうして作られた「かわいいカエルキャラ」こそ、
シュレーゲルアオガエルの姿そのものだったのです。
(私の勝手な仮説です。)


さて、このカエルですが、田舎ではこのカエルの名を知る人は全く、
と言っていいほどいません。
見たことのある人は少しはいるでしょうが、小さいのはアマガエル、
大きいのはモリアオガエル、と思われているでしょう。
シュレーゲルアオガエル、という概念そのものが、無いのです。

そんなカエルなので、生息地は限られているだろう、
と考えておりましたし、昨年は与布土川上流域の水田でしか
確認していませんでした。
ところが、今年からはじめた「かえる調査」で意外なことが判りました。
このカエル、結構どこにでもいます。
アマガエルやトノサマガエルより繁殖期が若干早いようで、
5月に入ったころにはこのカエルばっかりでした。

とは言え、トノサマやアマガエルに比べれば、生息場所が限られていて、
山が近くにある水田に多いようです。
道路脇の山の中からもの凄い鳴き声が聞こえてくる場所もあります。

結構・・・と言うか、実は全くと言っていいほど知られていない
このシュレーゲルアオガエルですが、山東町では実は身近なカエルなんです。
このカエルの生息地図を作ってみるのもおもしろそうです。


山東町では多く棲息しているシュレーゲルアオガエルですが、
実はレッドデータブック入りしています。
『兵庫県版レッドデータブック2003』でCランク
「兵庫県内において存続基盤が脆弱な種。」とされています。


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